「陣馬山から高尾山まで歩くと、実際どのくらいかかるんだろう?」
調べると「コースタイム6〜7時間」と出てきます。ただ、その数字が季節や混雑でどれだけブレるのかまで書いてある記事は、あまり見かけません。
私はこのエリアを、2025年11月から2026年1月にかけて3回歩きました。うち2回はまったく同じ縦走コースです。GPXログが3本残っているので、この記事では実測データで比べてみます。
結論から言うと、時間の差が出たのは縦走路ではなく、最後の高尾山の下りでした。正月に歩いたときは、参拝の時間を除いても、下山にかかった時間だけがちょうど2倍になっていました。
3回の実測データ(YAMAP記録)
| 第1回 | 第2回 | 第3回 | |
|---|---|---|---|
| 日付 | 2025年11月29日(土) | 2025年12月6日(土) | 2026年1月2日(金) |
| ルート | 陣馬高原下→陣馬山→景信山→小仏城山→高尾山→高尾山口駅 | 藤野→一ノ尾根→陣馬山→明王峠→相模湖 | 陣馬高原下→陣馬山→景信山→小仏城山→高尾山→高尾山口駅 |
| タイム | 6時間40分 | 5時間44分 | 7時間09分 |
| 距離 | 16.9km | 11.2km | 17.8km |
| のぼり | 1,019m | 778m | 1,084m |
| 歩いた時間帯 | 8:10〜14:50 | 9:17〜15:01 | 9:25〜16:34 |
| 天気 | 朝は快晴→昼から雲 | 終日快晴 | 曇天 |
| この日の当たり | 富士山+紅葉 | 山頂でうどん+夕日 | 縦走+初詣 |
第1回と第3回はまったく同じコース。第2回だけは陣馬山に登って相模湖側へ下りる短縮ルートです。

同じコースを2回歩いたら、29分の差がついた
第1回と第3回は同じコース。結果は 6時間40分 vs 7時間09分で29分差でした。
「正月のほうがバテたのかな」と思って区間ごとに分解したら、まったく逆のことが起きていました。以下は休憩を除いた実際の移動時間です。
| 区間 | 第1回(11/29) | 第3回(1/2) | 差 |
|---|---|---|---|
| スタート → 陣馬山 | 66分 | 62分 | −3分 |
| 陣馬山 → 景信山 | 87分 | 81分 | −6分 |
| 景信山 → 小仏城山 | 35分 | 31分 | −4分 |
| 小仏城山 → 高尾山 | 41分 | 36分 | −5分 |
| 高尾山 → ゴール | 50分 | 122分 | +72分 |
縦走路は全区間で第3回のほうが速い(合計18分速い)。山頂での休憩時間も第3回のほうが短い(123分→98分)。
それでも合計タイムが29分長くなったのは、最後の「高尾山→高尾山口駅」だけで72分も余計にかかったからです。
犯人は正月の初詣渋滞
第3回は1月2日。高尾山薬王院は関東屈指の初詣スポットで、山頂から下の1号路は参拝客で埋まります。
GPXログを見ると、薬王院で22分立ち止まっています(参拝とおみくじ)。それを差し引いても約100分。第1回の50分と比べて、歩くだけでちょうど2倍かかった計算です。
教訓: 正月に陣馬〜高尾を縦走するなら、高尾山からの下山に2時間見ておく。
静かな尾根歩きを楽しんだ末に人混みへ突っ込むことになるので、
時間に余裕がないなら小仏峠や城山でエスケープする判断も現実的です。

第1回(2025年11月29日)— 富士山と紅葉、3回で一番の当たり
8:10スタート → 14:50ゴール/16.9km/のぼり1,019m
| 時刻 | 地点 |
|---|---|
| 8:10 | 陣馬高原下から歩き始め |
| 9:15〜10:04 | 陣馬山(855m) — 49分滞在 |
| 11:31〜12:18 | 景信山(727m) — 48分滞在 |
| 12:53〜13:11 | 小仏城山(670m) |
| 13:52〜14:00 | 高尾山(599m) |
| 14:50 | 高尾山口駅 |
陣馬山山頂から富士山が見えた
この日のハイライトは、朝9時過ぎの陣馬山山頂でした。雲ひとつない快晴で、ススキの向こうに雪をかぶった富士山がくっきり。
信玄茶屋の公式サイトによると、陣馬山からは富士山のほか丹沢山塊・秩父山系、遠くは筑波山や房総半島まで見えるそうです。この日はまさにその眺望でした。



陣馬山の本当のすごさは「原っぱ」にあります
眺望もさることながら、陣馬山の山頂で一番いいのは広々とした原っぱです。
高尾山の山頂は展望台に人が密集していますが、陣馬山は違います。芝生の上に寝転がって日向ぼっこができる。これができる山頂は、関東の日帰り圏ではなかなかありません。
山頂は広く、茶屋も2軒営業しています(信玄茶屋と清水茶屋。もう1軒の富士見茶屋は現在休業中です)。
富士山を眺めながらうどんをすすって、そのあと芝生に寝転がる。
これをやると、日々の疲れが吹き飛ぶくらい心穏やかな時間が過ごせます。私が3回もこのエリアに通っているのは、正直この原っぱのためです。


陣馬山に行くなら、山頂の滞在時間を長めに取ってください。
実際、私は3回とも山頂で25分〜1時間50分過ごしています。
通り過ぎるだけではもったいない山頂です。
昼からは雲、それでも景信山は大展望
昼に近づくと雲が増えてきました。ただ景信山(11:31着)からの関東平野の眺望は見事で、48分も長居しています。雲の切れ間から光が差す景色が印象に残りました。


高尾山周辺は紅葉のピーク
13時半を過ぎて高尾山に近づくと、紅葉が最盛期でした。赤い落ち葉が地面を埋め尽くし、大勢の人が写真を撮っていました。



第2回(2025年12月6日)— 陣馬山だけをゆっくり、締めは相模湖の夕日
9:17スタート → 15:01ゴール/11.2km/のぼり778m
2回目は縦走せず、藤野側から陣馬山に登って相模湖へ下りるルートにしました。距離は縦走の3分の2。この日は終日快晴でした。
| 時刻 | 地点 |
|---|---|
| 9:17 | 藤野側の登山口から出発 |
| 11:04 | 陣馬山(855m)着 — 登り1時間47分 |
| 11:04〜12:52 | 山頂で約1時間50分滞在 |
| 13:22 | 明王峠 |
| 15:01 | 相模湖畔 |
陣馬山頂 信玄茶屋の山菜うどん
このルートの良さは、陣馬山山頂でゆっくりできることです。実際、山頂には1時間50分いました。
食べたのは陣馬山頂 信玄茶屋の山菜うどん(800円)。快晴の山頂で、テラス席から山並みを眺めながらすする温かいうどんは格別でした。
山菜がたっぷり入っていて、柚子がいいアクセントになっています。全体に優しい味で、登りで疲れた体に染みる一杯でした。
同店には山菜そば(800円)、みそ汁(350円)、カップラーメン(400円)、コーヒー(500円)などもあります【信玄茶屋 メニュー|2026年9月時点】。
なお信玄茶屋の営業は土日祝(雨天休み)・9時頃〜夕方とのことなので、平日に行く場合は年中無休の清水茶屋が頼りになります【陣馬山情報サイト|2026年9月時点】。


ゴールは相模湖の夕日
下山先を相模湖にしたのが正解でした。15時過ぎ、湖面に夕日が沈む景色に出会えました。高尾山口へ下りる縦走では絶対に見られない、このルートだけの締めくくりです。

「縦走はきついけど陣馬山には行きたい」という人に、このルートはおすすめです。
登り約1時間47分、下り約2時間。山頂で1時間半以上のんびりしても6時間かかりません。
第3回(2026年1月2日)— 正月の縦走と初詣
9:25スタート → 16:34ゴール/17.8km/のぼり1,084m
3回目は正月。おせちに飽きて「歩き初め」に出かけました。
| 時刻 | 地点 |
|---|---|
| 9:25 | 陣馬高原下から歩き始め |
| 10:27〜10:52 | 陣馬山(855m) |
| 12:13〜12:49 | 景信山(727m) |
| 13:21〜13:39 | 小仏城山(670m) |
| 14:15〜14:32 | 高尾山(599m) |
| 14:38〜15:00 | 薬王院で初詣・おみくじ |
| 16:34 | 高尾山口駅 |
この日は曇天。3回のうち一番地味な天気でしたが、縦走と初詣を一度に済ませるという正月ならではの体験ができました。

冬は日没との勝負
ゴールは16:34。2026年1月2日の東京の日の入りは16時39分(国立天文台)なので、日没5分前の到着でした。
9:25スタートでこのタイムです。正月の下山渋滞を考えると、冬は9時前に歩き始めることを強くおすすめします。
路面はぬかるみ、凍結はなし
当日は霜が降りていて、日が当たる場所は霜解けのぬかるみになっていました。ただし凍結まではしておらず、チェーンスパイクなしで歩けました。防水の登山靴があれば十分です。
寒波の後は凍結もありうるので、直前の天気で判断してください。
ルートの選び方(3パターン)
3回歩いて分かった、目的別のおすすめです。
| やりたいこと | ルート | 目安 |
|---|---|---|
| がっつり歩きたい | 陣馬高原下→陣馬山→高尾山→高尾山口 | 約17km・7時間前後 |
| 陣馬山を満喫したい | 藤野→一ノ尾根→陣馬山→相模湖 | 約11km・6時間弱 |
| 紅葉を狙う | フル縦走を11月末に | 高尾山周辺がピーク |
| 富士山を狙う | どのルートでも朝のうちに陣馬山へ | 昼から雲が出やすい |
縦走は「陣馬山スタート」が正解
フル縦走をするなら、陣馬山側から歩き始めるのがおすすめです。
- 後半に向けて標高が下がる — きつい登りを朝イチの元気なうちに片づけられる
- ゴールが高尾山口駅 — 下山後すぐに駅も飲食店も温泉もある
- エスケープルートが豊富 — バテても途中で下りられる
バテたときの逃げ道
- 景信山・小仏峠から → 小仏バス停へ下山(高尾駅行きバス)
- 小仏城山から → 相模湖方面へ下山
- 高尾山まで来れば → ケーブルカー・リフトという選択肢もある
「ダメなら小仏峠で下りる」と決めておけば、初心者でも挑戦しやすいコースです。
アクセス
フル縦走の場合(第1回・第3回)
京王線で高尾駅 → 北口①番のりばから「陣馬高原下」行きバス(西東京バス 美32系統)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運賃 | 680円 |
| 所要時間 | 約37分 |
| 系統 | 美32(霊園正門経由 大久保・陣馬高原下行) |
※2026年9月時点。最新は西東京バス公式で確認してください。
終点の陣馬高原下でバスを降り、林道を少し歩いてから登山道(新ハイキングコース)に入ります。
⚠️ 朝のバスはとにかく混みます。
登山者が同じ便に集中するので、早めにバス停の列に並んでおくことを強くおすすめします。
座れるかどうかで、登り始めの体力がだいぶ変わります。
陣馬山だけの場合(第2回)
JR中央本線で藤野駅 → 神奈川中央交通バス(野08系統・和田行き)で「陣馬登山口」下車
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運賃 | 210円(現金・ICとも同額) |
| 所要時間 | 約5分 |
| 系統 | 野08(藤野駅−和田) |
※2026年9月時点。最新は神奈川中央交通公式で確認してください。
私はこの日、藤野駅から朝のバスに乗りました。バスを使わず藤野駅から徒歩40分で登山口まで行くこともできます。
登る一ノ尾根は急な登り下りが少なく、登山者も比較的少ない静かなコースです。陣馬高原下からの新ハイキングコースが人で混み合うのに比べると、こちらはずっと落ち着いて歩けました。
縦走後のお楽しみ
第3回(正月)は駅直結の京王高尾山温泉 極楽湯に入るつもりでしたが、混みすぎていて断念しました。初詣客と下山客が重なる正月は、この混雑を覚悟しておいてください。
こういうときの私の定番は、京王線でそのまま帰れる**仙川 湯けむりの里**です。
費用まとめ
出発地は人によって違うので、新宿駅を起点に往復した場合で計算しました(すべてIC運賃・2026年9月時点)。
フル縦走の場合(陣馬高原下→高尾山口)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 京王線 新宿 → 高尾(約55分) | ¥409 |
| バス 高尾駅北口 → 陣馬高原下(約37分) | ¥680 |
| 京王線 高尾山口 → 新宿(約50分) | ¥430 |
| 交通費 合計 | ¥1,519 |
陣馬山だけの場合(藤野→相模湖)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| JR中央線 新宿 → 藤野(約1時間3分) | ¥1,034 |
| バス 藤野駅 → 陣馬登山口(約5分) | ¥210 |
| 山菜うどん(信玄茶屋) | ¥800 |
| JR中央線 相模湖 → 新宿(約1時間5分) | ¥1,034 |
| 合計 | ¥3,078 |
💡 交通費で見ると、フル縦走のほうが圧倒的に安い(¥1,519 vs ¥2,278)。
京王線は新宿〜高尾が409円と、JR中央線(715円)の6割ほどで済むためです。
藤野・相模湖はJRしか通っていないので、どうしても割高になります。つまり**「長く歩くほうが安い」**という、ちょっと面白い逆転が起きています。
陣馬山だけのルートを選ぶ理由は、安さではなく「山頂でゆっくりしたいから」です。
※運賃は2026年9月時点。最新は各社公式でご確認ください。
まとめ:3回歩いて分かったこと
- フル縦走は17km前後・6時間40分〜7時間09分(実測)
- 縦走路のタイムより、高尾山の下りのほうが季節で大きく変わる。正月は参拝を除いても2倍
- 富士山を狙うなら朝。11月末の9時台、陣馬山山頂から見えた
- 紅葉のピークは11月末。高尾山周辺がちょうど見頃だった
- 陣馬山だけなら藤野→相模湖の11kmルート。信玄茶屋でうどんを食べて、相模湖の夕日で締められる
- 冬は日没が早い(1/2は16:39)。9時前スタートが安全
関東に住んでいるなら、一度は歩いてほしい
陣馬山〜高尾山は、登山初心者でも十分に挑戦できる縦走コースです。危険な岩場もなく、バテたら途中で下りられる逃げ道も豊富。距離こそ17kmありますが、「難しい山」ではありません。
それでいて、陣馬山山頂の景色は文句なしに最高です。原っぱに寝転がって富士山を眺められる山頂は、そう多くありません。
そして個人的に一番好きなのが、尾根道の雰囲気。木漏れ日の中を歩いていると、どこかジブリの世界に迷い込んだような気持ちになります。この尾根道を歩くためだけに、また来たくなる。



同じ山でも、歩く時期とルートでまったく違う顔を見せてくれます。関東にお住まいの方は、ぜひ一度挑戦してみてください。


